どーも元生活保護受給者のりぷれさんです。最近金欠になって久しぶりに施設暮らしの日々を思い出しました。古くて汚くて狭い空間に大勢と住んでいたあの頃。うつ病で精神病んでてもなおこの場所からは早く引っ越さなくちゃいけないと思わせた暮らし。
今日はそんな施設のことを書いてみます。経験談がほとんどです。興味があれば読んでみてください。
大勢の生活保護受給者が住む施設がある
日本には身よりがなく住む家もない人が寝泊まりするための施設があります。
基本みんな生活保護受給者ですが、生活保護が正式に決まる前の人や、生活保護が終わっても住み続けている人などもいます。利用者の9割はご老人や障害者の方です。
この施設は役所から紹介されます。
私の場合「お金も住む家も何もないので生活保護を受けたい。直近の生活のフォローもお願いできますか。」と役所の方に説明し生活保護の申請をおこなったあとすぐに施設の話をされました。
いくつかの施設管理会社があって、その中から一つを選んで自分で電話して入居手続きを行います。ほぼ即決でした。その1時間後には迎えの車が来て施設入りです。
金も家もなくなると即ホームレスというイメージが有りましたが意外とそんなことはないんですね。気になる方はこの頃に書いた記事も参考にしてみてください。
施設では受給費のほとんどを取られる
施設によって詳細は変わると思いますが基本的に毎月の受給費のほとんどが施設への支払いになります。しかしそれにより衣食住を提供してくれます。
実態として、受給費の8割以上が施設に取られます。このあたり施設の管理人さんにも話を聞きましたが「受給費の無駄使い防止」と「受給費の搾取」のラインギリギリだそうです。若干闇があります。
早く病気を直して、仕事を見つけて、生活保護に甘えず自分で生きていけるように促すための措置とも言えます。
しかし施設の利用者は身寄りのないご老人や高齢の障害者の方ばかり。職も探せずもはや一人では生きていけない状態なので施設から離れることもできません。なので仮に搾取だったとしてももうどうにもならないわけですね。
ちなみに私の場合、毎月の受給費11万円のうち9万円を施設へ支払っていました(家賃、水道光熱費、食費、サービス費等)。施設のご飯は栄養が偏っていてきつかったのを覚えています。お風呂やトイレは共用だし汚いし部屋は狭いしこんな生活にこんなにお金払うのか…早く働いて引越そうってよくよく思ったものです。実際、引っ越して一人暮らししてる今の方がお金かかってないですからね。
多くの受給者と受給費は管理下にあるよってこと
上でも書きましたが、施設は役所から紹介されます。つまり国からです。
いくつかの施設管理会社の中から一つを選び電話して入居手続きをしたわけですが、この「いくつか」というのがわりと重要ですよね。たしか4つくらいあったかな。県や市区町村によって数は変わると思いますが。
一つの管理会社が数カ所の施設を管理しています。経験上、一つの施設には30~40人程度の受給者がいます。
となれば、「一つの市区町村で数百人単位の生活保護受給者が施設にいる」ということがざっくり考えられます。こう考えると、結構な数の受給者とその受給費が国の管理下に置かれ管理されていると見ていいと思います。
まぁ何が言いたいかというと。
ちゃんと役所の管理下に置かれている受給者のほうが多いんです。もっと言えば役所の管理下で施設にいれられ必要以上に金銭管理されている人間のほうが圧倒的に多いんです。
メディアが取り上げた一部のたちの悪い受給者のせいで、受給費を悪用したり無駄遣いしている人が多い、受給費=税金の無駄使い、という問題につなげている方もたくさんいますがそんなことないのです。たちの悪い人たちは本当に一部であって、ほとんどの人はちゃんと国に管理されています。
たとえば、すべての生活保護受給者を施設に入れることで完全管理はできるかもしれません。しかしそれが「最低限の生活を担保する」という点で、最低限のラインを下げすぎていないかという疑問はすこしあります。
過度な管理とあのような施設生活を押し付けられることで、最近増えてきたいわゆる「無敵の人」のような存在が出てきてしまう可能性も否定できないのではないかと考えています。施設には素行の悪い人もいましたしね…。
ニュースで取り上げられるような受給費を無駄使いする「悪い受給者」というのは確かにいるのだと思いますが、そんなごく一部の人たちをどうにかするために受給費を削減したり生活保護のルールをよりきつくするのはどうなのかなと。今現在もなんとか耐え凌ぎながら頑張って生きている受給者の方たちにさらなる苦しい現実を与えるのはどうなのかなと、しみじみ思います。
少しだけ話は変わりますが、日本人は「皆で足を引っ張り合い、マイナスへ向かう」ことが多いと言われていますよね。すごく分かりやすい例を挙げると「給料14万の安月給で頑張って節約して生きてます…給料上げてほしい。」という意見が出てくると、こぞって「うちはもっと安い給料で生きてる、もっと節約しろよ、こんなのにお金使うなよ。」とか「お前が馬鹿だから。」と文句を言う人達が現れて炎上します。
もっと低賃金でもっと苦しい生活にみんなで向かおうとするのです。不思議ですよね。皆で「給料上げて」の方向に叫べば国も動いてみんなでプラスの方向に向かえるかもしれない、そのための政策や取組が生まれて自分もより幸せになれるかもしれないのに、「自分が苦しい日々を送ってきたから他もそうあるべき。」という感覚にある人のほうが多いんですよね。地獄絵図です。
生活保護や受給費に対する厳しい意見もそういった考えからくるものなのかなと思っています。受給費や施設のおかげでなんとかうつ病や自殺未遂から復活し今を幸せに生きていけている私にとって、生活保護や施設の存在はわりとプラスなものとして記憶に残っています(まぁ施設は嫌でもあったけど…)。受給費や施設がないと生きていけない方々がたくさんいることも経験として知っています。
なので生活保護にもマイナスな意見よりプラスで建設的な意見が増えてくると良いなぁと、施設暮らしの日々を思い出しながら漠然と思う今日このごろでございます。